将棋の棋王戦は1974年に一般棋戦として創設され、翌1975年にタイトル戦に格上げされました。毎年、2月から3月に五番勝負が行われ、先に3勝した棋士が棋王位を獲得するシステムとなっています。
番勝負の持ち時間は8大タイトル戦の中で叡王戦・棋聖戦と並んで最も短い4時間で、1日制のタイトル戦です。
挑戦者決定トーナメントで他のタイトル戦にはない敗者復活戦があるのが特徴で、挑戦者決定戦は変則2番勝負で行われます。
挑戦者決定トーナメント優勝者は2局のうち1勝で挑戦権を獲得しますが、敗者復活戦優勝者は2連勝で挑戦者となります。
棋王戦は永世称号である永世棋王の資格を獲得するための条件が非常に難しいタイトル戦でもあり、資格保持者が誰なのかも気になるところです。
今回は、将棋の永世棋王になるための条件と称号獲得が難しい理由、資格保持者は誰なのかを見ていきます。
将棋の永世棋王の条件
将棋の永世称号である永世棋王になるための条件は、棋王位を連続5期以上の保持となっています。条件は非常にシンプルでわかりやすいといえます。
1984年度(第10期)に通算獲得期数での永世棋王の称号は条件としないことが日本将棋連盟で判断され、その後、連続5期獲得で永世棋王とすることが決まったという経緯があります。
当時の日本将棋連盟会長は大山康晴さんでした。
連続5期以上の棋王位保持
将棋の永世棋王の称号獲得が難しい理由
将棋の永世棋王になるための条件は大変わかりやすいといえますが、8つあるタイトル戦のなかでも称号獲得の難易度は1、2を争うほど難しいといえます。
永世称号を獲得するための条件は各タイトル戦で異なりますが、ほとんどは連続で獲得するか、または通算で獲得するかになっています。
難しい理由は永世棋王だけが連続の獲得期数でしか永世称号を獲得できないからです。通算で何期獲得しようが資格は得られず、連続でしかチャンスがないのが難しいところです。
他に永世称号の獲得が難しいタイトル戦といえば永世王将があげられますが、永世王将の場合は通算10期以上獲得のみが条件で、永世棋王とは対照的に連続獲得の条件がありません。
永世王将の場合は通算10期以上獲得のみが条件となっており、永世棋王の連続5期のみと並んで8大タイトルの中で最も難しい条件といっていいでしょう。
1974年に一般棋戦として創設され、翌1975年にタイトル戦に格上げされた棋王戦ですが、半世紀の歴史の中で永世称号保持者はわずか2人だけとなっています。(2024年12月時点)
将棋のタイトルの永世称号の条件と保持者などは、こちらをご参照下さい↓↓
将棋の永世棋王の資格保持者は誰?
将棋の永世棋王になるのは非常に難しいことがわかりました。永世棋王が少ないことは容易に想像できますが、資格保持者は誰なのでしょうか。
永世棋王の資格を持つ棋士は、羽生善治さん(第20期で獲得)と渡辺明さん(第42期で獲得)のわずか2名のみとなっています。(2024年12月時点)
今後、永世棋王が誕生するとするならば、最も最短距離にいるのが現棋王で2連覇中の藤井聡太さんです。
しかし、他のタイトル戦とは異なって一度失冠してしまうと、またいちからやり直しです。長い棋士人生とはいえ、永世棋王はできるだけ早い時期に達成しておきたいところでしょう。
将棋の永世棋王の資格保持者は、以下の2名です。
将棋の永世棋王の資格保持者
- 羽生善治
1994年度(第20期)に24歳5か月で獲得
通算13期:1990年度(第16期)~2001年度(第27期)・2004年度(第30期) - 渡辺明
2016年度(第42期)に32歳11か月で獲得
通算10期:2012年度(第38期)~2021年度(第47期)
※2024年12月時点
将棋の永世棋王の条件と称号獲得が難しい理由・資格保持者~まとめ
今回は、将棋の永世棋王になるための条件と称号獲得が難しい理由、資格保持者は誰なのかを見てきました。
将棋の永世称号である永世棋王になるための条件は、棋王位を連続5期以上保持することです。
永世棋王の称号獲得が難しい理由は、他のすべてのタイトル戦で条件として認められている通算での獲得期数がなく、永世棋王だけが連続の獲得期数でしか永世称号を獲得できないからです。
そのため、永世棋王の資格保持者も羽生善治さん(第20期で獲得)と渡辺明さん(第42期で獲得)のわずか2名しかいません。(2024年12月時点)
今後、永世棋王の資格を獲得する棋士が誰になるのかも気になりますが、可能性としては藤井聡太さんが最も高いといえるでしょう。
しかし、一度失冠してしまうと、またいちからやり直しとなってしまうことから藤井聡太さんといえども他の永世称号より難しいといえます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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