将棋界には女流棋士とプロ棋士が存在しており、明確に区別されています。しかし、女流棋士とプロ棋士の違いがはっきりわからないという方も多いのではないでしょうか?
近年、女流棋士のレベルは格段にアップし、プロ棋士を負かすことも珍しいことではなくなってきました。しかし、女性が将棋を指す人口が少ないことが影響し、将棋界では長年に渡って女性のプロ棋士が誕生していません。
プロ棋士になるための条件の奨励会突破者や過去のプロ棋士編入試験の結果と合格者が何人いるのかも気になります。
今回は、将棋の女流棋士と棋士の違いや過去の女流棋士のプロ棋士編入試験の結果と合格者などをまとめてみました。
将棋の女流棋士とプロ棋士の違い
将棋の女流棋士とプロ棋士の違いは、女性の棋士が女流棋士、男性女性の区別のないのがプロ棋士と考えるのがわかりやすいでしょう。
将棋界には「棋士」と「女流棋士」という2つの制度があり、女流棋士もプロ棋士もともにプロであることに変わりはありません。
しかし、プロ棋士が男性女性どちらでもなれるのに対して女流棋士は女性のみが対象です。
将棋のレベルとしては女性でプロ棋士になった例がないこともあり、プロ棋士のほうが女流棋士より上といっていいでしょう。
女流棋士は女性のみ、プロ棋士は男女の区別なし
将棋の女流棋士になるには?
将棋の女流棋士制度は1974年から6名で始まり、女流棋士には日本将棋連盟所属か日本女子プロ将棋協会(LPSA)所属、いずれにも所属していないフリー女流棋士の3パターンがあります。
将棋の女流棋士になるには満27歳未満の女性であることと、一定の成績を収めて女流2級の資格を満たすことが必要です。
研修会に入会してから条件を満たして女流棋士を目指すルートと、アマチュアからは出場枠のある女流棋戦で必要な成績を残して女流棋士になる2つのルートがあります。
ともに楽な条件ではありませんが、後述するプロ棋士にあるための条件と比較するとまだハードルは低いといっていいでしょう。
女流棋士のみの棋戦に参加できる他、女流棋士出場枠を設けているプロ棋士の棋戦にも参加することができます。
女流棋士2級の資格を得るための詳細はこちらをご参照下さい。
⇒ 「日本将棋連盟 女流棋士2級昇級規定」(日本将棋連盟公式サイト)
将棋のプロ棋士になるには?
プロ棋士は日本将棋連盟に所属して棋戦に参加します。プロの棋戦は賞金も高額で、例えば、最高賞金額の竜王戦の優勝賞金は4,400万円です。女流棋戦の最高賞金額の白玲戦の優勝賞金が1,500万円ですから収入はかなり異なります。
そして、プロ棋士になるには奨励会に入会してプロになるか、棋士編入試験を受験して合格するかの2つのルートがあります。
どちらも大変厳しい規定になっており、まず奨励会からのルートですが、四段になれば男性でも女性でもプロ棋士として認定されます。しかし、年齢制限があり26歳までに四段になれなければ退会となります。
もうひとつの棋士編入試験は、まず受験資格がプロ棋士相手に10勝以上、かつその間の勝率が6割5分以上の成績などという厳しさです。編入試験ではプロ棋士の試験官を相手に5局中、3勝すれば合格(=プロ棋士)となります。
将棋のプロ棋士編入試験についての詳細は、こちらをご参照下さい↓↓
将棋の女流棋士の過去のプロ棋士編入試験の結果と合格者
将棋では過去に女性が奨励会に入会してプロ棋士を目指した例はありますが、上述したように奨励会を突破してプロ棋士になった例はありません。
最高で三段までは昇段したものの、あと一歩というところでプロ棋士になれず年齢制限により退会したケースはあります。
一方、棋士編入試験は2022年に福間香奈(旧姓・里見)さん、2024~2025年にかけて西山朋佳さんの2名が受験しています。福間香奈(旧姓・里見)さんは残念ながら0勝3敗で不合格、西山朋佳さんは第4局終了時点で2勝2敗とプロ棋士まであと1勝となっています。
将棋の女流棋士のプロ棋士編入試験の結果と合格者は、以下の通りです。
将棋の女流棋士の過去のプロ棋士編入試験の結果と合格者
- 西山朋佳:2勝2敗(第4局終了時点)
- 福間香奈(旧姓・里見):0勝3敗で不合格
⇒ 合格者なし
西山朋佳のプロ棋士編入試験の日程と対戦相手などは、こちらをご参照下さい↓↓
将棋の女流棋士とプロ棋士の違いと編入試験~まとめ
今回は、将棋の女流棋士とプロ棋士の違いや過去の女流棋士のプロ棋士編入試験の結果と合格者をまとめました。
将棋の女流棋士とプロ棋士の違いは、女性の棋士が女流棋士、男性女性の区別のないのがプロ棋士で、将棋のレベルとしてはプロ棋士のほうが女流棋士より上です。
女流棋士になるには満27歳未満の女性であることと、一定の成績を収めて女流2級の資格を満たすことが必要です。プロ棋士になるには奨励会に入会して26歳までに四段になるか、棋士編入試験を受験して合格するかの2つの方法があります。
将棋では過去に女性が奨励会に入会してプロ棋士を目指した例も棋士編入試験を受験した例もありますが、プロ棋士になった例はありません。
しかし、確実にレベルアップしていることから、近い将来に女性のプロ棋士が誕生する日がくるのは間違いないでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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