あまり多くはありませんが、将棋では千日手と呼ばれる局面が見られることがあります。
千日手になる可能性が出ると、対局者より周りの人たちがソワソワしたりして何やら雰囲気が慌ただしくなったりします。
そして千日手が成立すると対局は一旦終了となりますが、この将棋の千日手の読み方と意味とはどんなものなのでしょうか?
そして、千日手の後の指し直し局がわかりやすく規定されているのかどうか、これも気になります。
今回は、将棋の千日手の読み方と意味とは何か、指し直し局の規定もわかりやすくまとめていきます。
将棋の千日手の読み方と意味とは?
将棋の千日手とは対局中に同一局面が4回現れる状態をいい、読み方は”せんにちて”です。ただし、同一局面が4回未満であっても両対局者が合意すれば千日手が成立します。
千日手が成立した対局は無勝負となり、先手と後手の手番を入れ替えて指し直しが行われます。千日手はどっちが負けということもなく引き分けとも解釈できそうですが、指し直し局で決着をつけるという意味があります。
ただし、連続して王手をかけ続けて千日手が成立した場合は、王手をかけていた側が反則負けとなります。
千日手のルールがいつ頃からできたのかは定かではありませんが、千日という言葉からも長い時間が経過しても局面が動かないことに由来していると思われます。
千日手は局面が膠着して進展しない状況を防ぐためのルールですが、不利な側が無勝負に持ち込む作戦という意味もあります。
逆に優勢な側はそれまでの苦労が水の泡になるので千日手にはしたくない気持ちがありますが、打開した側が不利になることが多いようです。
また、千日手指し直し局では先手と後手の手番が入れ替わるので、先手番の側はなるべく千日手は避けたい意味もあります。
わざと千日手に持ち込むことはそう多くはありませんが、千日手はいざとなれば戦略のひとつにもなり得るといえます。
参考 ⇒ 公益社団法人 日本将棋連盟 対局規則【第8条】千日手
対局中に同一局面が4回現れる状態で、読み方は”せんにちて”
将棋の千日手の指し直し局の規定もわかりやすく
上述したように、将棋で千日手が成立した対局は無勝負となり、指し直しとなります。
指し直し局の規定は棋戦によって異なりますが、先手と後手の手番を入れ替えて指すことは共通しています。
千日手局と指し直し局の間の時間(休憩時間)は30分だったりタイトル戦では1時間だったり、持ち時間は千日手局での持ち時間をそのまま引き継ぐか、テレビ棋戦など少ない場合は調整するケースもあり、棋戦によりさまざまです。
指し直し局の規定は手番を入れ替えること以外、持ち時間などは各棋戦に委ねられているといえます。
⇒ 手番を入れ替えること以外は棋戦ごとに異なる
手番:先手と後手の手番を入れ替え
千日手局と指し直し局の間の時間(休憩時間):30分やタイトル戦では1時間など
持ち時間:千日手局での持ち時間をそのまま引き継ぐか、少ない場合は調整も
将棋で千日手が多い棋士
では、将棋のプロ棋士の対局で実際に千日手が多い棋士はだれなのか、見ていきましょう。
現代の将棋界において千日手と聞いてまず頭に浮かぶのは、永瀬拓矢さんではないでしょうか。
先手番の棋士はなるべく千日手は避ける傾向がありますが、永瀬拓矢さんは1局多く勉強できるからと先手番でも千日手を避けることはなく、現役棋士の中で千日手の出現率が最も高い棋士となっています。
2011年の第61回NHK杯戦で2連続千日手、2020年の第5期叡王戦では千日手1回と持将棋2回で通算9局を指し、第93期棋聖戦第1局では千日手2回でタイトル戦初の1日3局の対局など、長い対局を全く気にしないタフさを持ち合わせています。
阿部隆さんも千日手が多い棋士のひとりです。
永瀬拓矢さんより先輩棋士で対局数が多いため、千日手局は現役棋士最多の60局です(2023年9月13日時点)。
今のところ出現率では永瀬拓矢さん、局数では阿部隆さんということになりますが、今後、永瀬拓矢さんが局数でも上回るかどうかといったところです。
出現率 ⇒ 永瀬拓矢
局数 ⇒ 阿部隆
将棋の千日手の読み方と意味とは?~まとめ
今回は、将棋の千日手の読み方と意味とは何か、指し直し局の規定もわかりやすくまとめてきました。
将棋の千日手とは対局中に同一局面が4回現れる状態をいい、読み方は”せんにちて”です。
千日手指し直し局では先手と後手の手番が入れ替わるので、千日手には先手番の側はなるべく千日手は避けたい意味や逆に不利な側が無勝負に持ち込む作戦という意味もあります。
指し直し局は手番を入れ替えること以外、持ち時間など規定は各棋戦によって異なります。
将棋で千日手が多い棋士は永瀬拓矢さんと阿部隆さんが双璧で、出現率では永瀬拓矢さん、局数では阿部隆さんとなっています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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